アメリカの高校 教育の特徴

Phillips Academy

もくじ

アメリカは高校までが義務教育

アメリカは高校までが義務教育です。したがって公立高校であれば授業料は無料で、教科書も無償で貸与されます。社会に出ても困らないだけの最低限の教育をするのが公立高校の役割です。

公立高校は、地区によってレベルがさまざまです。教育レベルが高い学区とそうでない学区とでは、高校の教育の質がいちじるしく異なる場合があります。

これに対して、私立高校はそのほとんどが大学進学校です。教育レベルは公立高校に比べて高く、生徒や親の満足度も、公立より私立のほうが高いのが普通です。ただし授業料はかかります。お金をかけてでも質の高い教育を受けさせたいと考える親が、我が子を私立の高校に通わせようとするわけです。

大学進学校としての私立大学

アメリカの私立高校は、その多くが大学進学校で、「準備をする」という意味で“Preparatory School(Prep School)”と呼ばれることもあります。

州によって運営されている公立高校に対して、私立の高校は、それぞれの学校が独自の入学選抜を行い、独自の理念やカリキュラムを設けています。共通する特徴は、リーダーの育成に力を入れていること。リーダーシップは、エリートとしての重要な資質とみなされているのです。

公立高校と比べたときの私立高校の特徴として、以下のようなことが挙げられます。

  • 1クラスの人数が8~12人くらいと少人数制で、個人指導が行き届いている。
  • だれでも入学できる公立高校と異なり、面接や学校の成績、推薦状など、さまざまな角度から入学生を選抜しているため、総体的なレベルが高い。また生徒の出来・不出来のばらつきがない。
  • カリキュラムがしっかりしていて、大学進学のための準備にも力を入れている。モティベーションの高い生徒に対してはそれなりにハイレベルの科目が提供される。APと呼ばれる大学レベルの科目も、公立高校に比べるとより多く設けている。
  • 設備がよく整っている。とくにコンピュータ施設、ギャラリーや劇場、ジムや運動場などは立派なものが多い。
  • 特定の希望(女子校・男子校・アートに力を入れている学校など)がかなう。
  • それなりに高額な授業料がかかる。

アメリカの高校への留学

アメリカの高校に日本人が留学する場合、公立高校に留学するか、私立高校に留学するかで、その方法が異なります。

アメリカの公立高校への留学は、基本的に1年間の「交換留学」になります。そして、その目的は勉学というよりも「国際交流」です。2年以上の留学や卒業を目的とした交換留学は認められません。また自分で高校を選ぶことはできません。

一方で、アメリカの高校を卒業したいのであれば、私立で寮制のボーディングスクール(Boarding School)へ留学することになります。通学制のデイスクール(Day School)もありますが、通学手段と安全の確保がむずかしいので長期の留学先としては適していません。ボーディングスクールの安全衛生に向けた取り組みは徹底していますので、留学生でも安心して生活を送れます。

アメリカは6・2・4制が一般的

日本の小・中・高の6・3・3制にあたる区分けとしてアメリカで最も多いのは6・2・4制です。学年のことをGradeといい、小学校1年生から高校3年生までを通して1st Grade、2nd Grade……12th Gradeと上がっていきます。

日本の高校に相当するSenior High Schoolでは、

  • 9年生:Freshman
  • 10年生:Sophomore
  • 11年生:Junior
  • 12年生:Senior

の4学年の生徒が在校しています。

日米の学制と学年の呼び方

日本 アメリカ
小学校 小学1年生 Elementary School 1st Grade
小学2年生 2nd Grade
小学3年生 3rd Grade
小学4年生 4th Grade
小学5年生 5th Grade
小学6年生 6th Grade
中学校 中学1年生 Junior High School 7th Grade
中学2年生 8th Grade
中学3年生 Senior High School 9th Grade (Freshman)
高校 高校1年生 10th Grade (Sophomore)
高校2年生 11th Grade (Junior)
高校3年生 12th Grade (Senior)

アメリカの高校に留学する時期

日本人がアメリカの高校に留学する時期としては、日本の中学校を3月に卒業して、その年の9月に10年生としてボーディングスクールに入学するのが一般的です。3年後の5月に卒業します。

日本の中学校を卒業しているのであれば、あえて学年を落として9年生として留学する必要はありません。また、日本の中学校を卒業せずにアメリカの高校に9年生として留学する方法もありますが、やはり日本の義務教育は修了しておいたほうがいいでしょう。留学を途中でやめてしまった場合、学歴が小卒ということになってしまいかねません。

日本の高校に1年通って、アメリカの高校に11年生として入学することもできますが、受け入れてくれる高校が限られます。無理して高校から留学するのではなく、大学への留学を検討したほうがいいかもしれません。高認(高等学校卒業程度認定試験)をとれば、飛び級でアメリカの大学に17歳くらいで入学できます。

あわせて読みたい記事(外部リンク)
>>アメリカでは当たり前なのに、日本で「飛び入学」が普及しないのはなぜ?

アメリカの高校を卒業した後の進路

ボーディングスクールを卒業した後は、アメリカの大学に進学することはもちろんできますし、日本の大学への進学の道も開かれています。アメリカのボーディングスクールに留学した人の約半数がアメリカの大学に進学し、残りの半数が日本の大学に進学する、というのが栄 陽子留学研究所から留学した人の傾向です。

アメリカの大学に進学する

アメリカの大学に進学する場合、ボーディングスクールを5~6月に卒業して、その年の9月にアメリカの大学の1年生として入学します。ボーディングスクールはそのほぼすべてが大学進学校ですので、アメリカの大学に進学するにあたっては十分な情報と指導、サポートを得られます。かなりスムーズに進路が決まっていくでしょう。

あわせて読みたい記事(外部リンク)
>>アメリカの高校からアメリカの大学へ進学。その出願プロセスとは?

日本の大学に進学する

日本の大学に進学する場合は、帰国子女枠もしくは一般受験枠で、日本の大学を受験することになります。夏休みに帰国して予備校に通う人もいます。ボーディングスクールを卒業した翌年の4月に入学するのが一般的ですが、秋入学を認める大学も増えています。また書類審査や面接を取り入れたり、アメリカの高校生が受けるSAT®というテストを審査項目の1つとするなど、日本の大学の入試のありかたも多様化しています。最初から進路を限定せずに、いろいろと調べてみるといいでしょう。

参考記事(外部サイト)
>>帰国生入試の概要(河合塾)

17歳でアメリカの大学に留学できる

高校から留学するには費用などの問題があってむずかしい、でも日本の高校に3年間通うのも気が乗らない、できるだけ早いうちに留学したい、という場合は、日本の中学校を卒業して高認(高等学校卒業程度認定試験)をとって、いわゆる飛び級でアメリカの大学に入学する方法があります。この方法では、17歳くらいでアメリカの大学に入学し、20歳くらいで卒業することも可能です。

大切なのは、高校から留学できないから留学をあきらめる、というのではなく、いくつもの方法があることを知って、それらを比べて検討してみることです。

栄 陽子留学研究所では、豊富な実績によって、個々の事情に応じたさまざまな留学のありかたを提案しています。ぜひ親御さんも一緒にご相談ください。



5/31

しっかり分かる

留学講演会

>

悩みはプロへ

留学相談

>

留学講演会

留学相談