アメリカの高校における勉強1・科目のとり方
自分だけのカリキュラムを組む
ボーディングスクールでは、その学校で提供しているたくさんの科目の中から受講する科目を選んで自分だけのカリキュラムをつくります。必修科目と選択科目があって、カリキュラムづくりはアドバイザーの先生に相談しながら決めます。科目ごとに教室が異なり、毎授業クラスメイトや先生の顔ぶれが変わります。座席も決まっていません。10年生(日本でいう高校1年生)の留学生の時間割の例を見てみましょう。
「10年生の時間割」
どんな科目を学ぶのか
アメリカのボーディングスクールは、そのほぼすべてが大学進学校ですから、そこで学ぶ科目は、アメリカの大学に進学するにあたって必要な学力を身につけられるだけの内容・レベルのものです。具体的には、9~12年生の4年間に学ぶ科目として、
英語 | 4年間 |
数学 | 3年間 |
理科 | 2年間 |
歴史 | 2年間 |
外国語 | 3年間 |
芸術 | 1年間 |
以上の分野を必須としているのが一般的です。加えて、キリスト教系の学校であれば、神学を必須としています。インターンシップやボランティアが必須となっているボーディングスクールもめずらしくありません。
必須科目とは別に、選択できる科目もバラエティに富んでいます。とくにアートや音楽、演劇の科目はボーディングスクールではとてもよく整っています。ほかにもコンピュータ、コミュニケーション、心理学、犯罪科学など、学校によってさまざまな科目を選択できます。
また科目によっては、AP(Advanced Placement)といって、上級レベルのものがあります。AP科目をとるためには、下位レベルの科目で良い成績を修めなければならず、またそのためのテストにパスしなければなりません。それだけAP科目はむずかしく、課題もたくさんあるのですが、AP科目でよい成績をとると、大学の単位として認められ、またそれなりの実力がついていることを示すことにもなるので、とくに名門大学を狙っている生徒はできるだけ多くのAP科目をとろうとします。
ボーディングスクールによって、開講しているAP科目の数や科目はさまざまです。開講しているAP科目の数が多いことは、そのボーディングスクールがアメリカの大学進学への指導に力を注いでいることの一つの指標になるともいえるでしょう。
学校名 | AP科目の数 |
---|---|
St. Andrew's School (DE) | 35科目 |
The Perkiomen School (PA) | 28科目 |
The Taft School (CT) | 28科目 |
Flintridge Sacred Heart Academy (CA) | 27科目 |
Episcopal High School (VA) | 26科目 |
Lake Forest Academy (IL) | 26科目 |
Verde Valley School (AZ) | 26科目 |
Choate Rosemary Hall (CT) | 25科目 |
Kent School (CT) | 25科目 |
Mercersburg Academy (PA) | 25科目 |
Wyoming Seminary (PA) | 25科目 |